1. はじめに 〜デモで勝てるのに本番で負ける理由〜
FXを始めると、まずはデモトレードで練習するのが一般的です。しかし、「デモでは勝てるのに本番では負ける…」という悩みを抱える初心者は少なくありません。
実際に、ある初心者トレーダーの話を紹介しましょう。
ある日、デモトレードで10万円を元手にスタートし、1ヶ月で20万円に増やしたAさん。自信をつけていよいよ本番口座を開設し、実際に自分のお金を投じて取引を始めました。しかし、現実は甘くありませんでした。デモではできていたはずの損切りができず、気づけば大きな損失に…。
このような事例は珍しくありません。では、なぜデモトレードでは勝てるのに、本番では負けるのか?
2. デモトレードと本番の違い
デモと本番では、以下の点で大きな違いがあります。
- 心理的なプレッシャー
- デモでは架空のお金を使うため、失敗してもダメージはゼロ。しかし本番では実際のお金を扱うため、緊張感がまるで違います。
- 相場の流動性
- デモ口座では、スリッページ(注文価格と約定価格のズレ)やスプレッドの変動がない場合があります。しかし本番では、流動性が低い時間帯などにこれらが発生し、想定外の損失につながることも。
- リアルな資金管理
- デモでは大胆にトレードできても、本番では「このお金を失ったらどうしよう…」と躊躇してしまい、冷静な判断ができなくなることがあります。
3. 本番へ移行する適切なタイミング
では、デモトレードから本番へ移行するのに適切なタイミングとは? 以下の条件を満たしているか確認しましょう。
① 3ヶ月以上、安定した収益を出せている
- 1ヶ月だけの勝ちで判断するのは危険。最低3ヶ月以上、勝率50%以上かつ資金が増えている状態が望ましい。
② 資金管理のルールを徹底できる
- 例えば、「1回のトレードでリスクを総資金の2%以内にする」など、明確なルールを守れているか。
③ メンタルコントロールができる
- 連敗したときに感情的にならず、冷静にトレードを続けられるか。
④ 本番資金を用意できる
- 「無くなっても生活に支障が出ない金額」でスタートすることが大切。
4. 本番へ移行する際の注意点
- 少額から始める
- いきなり大きな資金でトレードせず、最初は最低単位(例えば1,000通貨)から。
- デモと同じルールで取引する
- 本番になった途端にルールを破るのはNG。デモで実践した戦略をそのまま適用すること。
- トレード日記をつける
- 失敗や成功を記録し、改善点を見つける。
5. まとめ
デモトレードと本番では、心理的なプレッシャーや実際の市場環境の違いがあり、それが結果に影響を与えます。本番へ移行する際は、焦らず適切なタイミングを見極め、少額から慎重にスタートすることが成功のカギです。
「デモでは勝てるのに本番で負ける…」そんな事態にならないよう、正しいステップを踏んで移行しましょう。
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